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「トゥルーマン・ショー」~あなたの人生がすべてニセ物だったら?

一人の人間の人生を生まれた時からずっとコントロールしつつ、本人が知らないままドキュメンタリードラマとして全世界に放送しているという、メディアの傲慢さを皮肉った作品。(1998年)
おすすめ度★★★

あらすじ

典型的なアメリカ市民・トゥルーマン。だが彼の暮らす環境は、どことなく不自然だ。それもそのはず、実は彼の人生は、隠しカメラによってTV番組「トゥルーマン・ショー」として世界中に放送されていたのだ! 家族や友人を含めたこれまでの人生が全てフィクションだったと知った彼は、現実の世界への脱出を決意する…。

allcinemaより

しかしこれ、ひどすぎるでしょ。

妻や親友、両親に至るまですべてニセモノ。つまり演者としてキャスティングされているだけで、知らないのは主人公のトゥルーマンだけ。

その上、巨大ドーム内に作ったフェイクの世界にある島型の町から出られないよう、水に対するトラウマまで植え付けるという、番組制作者の非道なことといったら・・・!

ブラックコメディなので、笑えるシーンももちろんあるんですけどね。妻(本当はキャスティングされてるだけの女優)が、買ってきたクッキング用品をわざとらしく見せつけたり、ココア缶を見せて説明口調で夫にすすめたり、トゥルーマンが毎日同じ場所で双子の男性に足止めされ、背後の看板が大写しにされたり。

これはトゥルーマン・ショーがCMを挟まないため、番組内で広告を映すためのもの。スポンサーありきというテレビメディアの宿命を皮肉ってます。

それにしても、数十年も生きてきて、今までの自分の家族、友人や周囲の人たちがすべて嘘の存在だったと知ったとき、人は精神が崩壊してしまわないだろうか。

自分のアイデンティティの拠り所となるものが何もないと気付くんですよ?

親友(と思っているが実はただのキャスト)と一緒に見た美しい夕暮れの風景さえ、ドーム内のイミテーションだと知った時。

記念写真に写る思い出が、他者によって人為的に作られたものと知った時。

そして自分が、実の親から捨てられ、テレビ番組のアイテムとしてゆずり渡された存在だったと知った時。

今まで自分の中に積み上がっていたはずの人生が、ガラガラと崩れ落ちる残酷さ。

しかしこの作品はそこはスルーし、トゥルーマンは「なんかおかしいと思ってたんだよ~!」ぐらいの軽さで、ニセモノじゃない外の世界へ向かうという方向で終結している。

いやいや、普通ショックでおかしくなるでしょとツッコミたくなるけど、そこにスポットを当てるとコメディとして成立しなくなるので仕方ないか。

こんな番組は人道的に無理なので実際にはありえない。でもふと思ったんだけど、自分の意思とは違う他者の誘導や支配下で生きている人なんて、実はたくさんいるんじゃないか?

支配的な親の意のままに、人生の選択を決められてきた人なんてゴマンといるだろうし、選択の余地を与えられてこなかったことにすら気付いてない人だっていると思う。

自分の人生が知らぬ間にコントロールされていたことに大人になって気付いたとき、トゥルーマンのようにそこから抜け出す勇気を持てるだろうか。

あなたの人生の選択は、本当に自分自身で選び取ってきたものですか?

重大教訓:
 思考停止してると、自分の人生が
 他者に操られるよ

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