ハリソン・フォードの当たり役であり、また、トミー・リー・ジョーンズの当たり役でもある作品。トミー・リー・ジョーンズはこのジェラード役でアカデミー助演男優賞を受賞しています。(1993年)
おすすめ度★★★★★
あらすじ
優秀な外科医リチャード・キンブル(ハリソン・フォード)は、自宅で妻が殺され、片腕が義手の男ともみ合いになるが逃げられてしまう。あげくに妻殺しの容疑をかけられ、義手の男について訴えるが聞き入れられず、犯人として逮捕され有罪となる。そして囚人として移送される途中の車内で、他の囚人が警官を襲撃する事件が起きる。護送車は横転し、それは列車を巻き込む大事故となり、リチャードは真犯人を見つけるためその場から逃走する。連邦保安官ジェラード(トミー・リー・ジョーンズ)は執拗な追跡を開始するが、リチャードは捜査をかいくぐり、攻防を続けながら真犯人へと近づいてゆく。
miharu
この作品は私にとって「常備食」みたいなもの。
これから新たに観たい映画のリストはまだたくさんあるけど、未見の映画を観るのって、けっこう集中力とエネルギーが要るものです。
ハズレだったときの消耗感も、疲れてる時はなかなかしんどい。何か観たいけど、気力不足気味って時に手が伸びる作品。
いつ食べてもおいしい定番のお菓子みたいに「間違いない」んです。
まず、無駄なシーンが無くてテンポがいい。元々テレビドラマシリーズだったものなので、映画化するにはかなりそぎ落とす必要があったのでしょう。
でも過不足なくよくまとまっていて、追い詰められながら何度も切り抜けるハラハラ感の度合いも程良いし、医師としてのスキルを活かして真犯人に迫っていく過程も面白いんです。
一番好きなのは、義手を持つ男の情報を探るためにリチャード(ハリソン・フォード)が清掃員になりすまして病院で働いている時のシーン。
事故があったらしく大勢の救急患者でごった返す中、重症の少年が誤診で放置されているのが我慢できなくなり、こっそり治療指示書を書き換えて手術室へ運びこむ。
それがきっかけで身元がバレて逃げなければならなくなるのですが、医者として見過ごせずに子供を救おうとするリチャードの優しさと矜持が見える、好きなシーンです。
しかーし!!何といってもこの作品で特筆すべきなのはやはりトミー・リー・ジョーンズでしょう。
彼は大の親日家だそう。缶コーヒーBOSSのCMでは宇宙人ジョーンズとして日本に潜入してますが、名優なのにあんなふざけたキャラの無茶なCMオファーを受けてくれるのも、日本びいきの理由が大きいのかな。
それはともかく、このジェラード連邦保安官がすごい。
まず判断が素早く、迷いが無く的確。しかも甘さを残さない徹底ぶり。例えばリチャードが追い詰められてダムの滝つぼに飛び込んだ時。
ジェラード:「パトカーを橋の下に 警官は双眼鏡で上流から下流まで それに川の上を低空でヘリを飛ばせ」
部下:「奴はもう死んでるよ」
ジェラード:「なら捕まえやすい」
さらに
「それに犬だ 川の両岸、上流下流3.2キロを 地元の救助隊は余水路の底さらいを」
これだけの捜査網を敷いても見つからないため、地元の捜査員が「別に文句は言いませんが・・・絶対生きてませんよ。もう魚のエサです」
ジェラード:「じゃ その魚を釣り上げろ」
誰もが「もういいだろう」と思っても絶対妥協しない。なぜならターゲットを逮捕するのが仕事だから。見つからないなら見つけるまでやるだけのこと。こういう徹底ぶりにしびれます。
基本的に男女平等でも、その価値観とは別に男と女の違いは、やはりある。男性が優位な部分もあれば、逆に男が及ばない「女の強み」のようなものもある。
若い部下を守るために迷わず瞬時に犯人を射殺する非情さとか、男のそれだなあと感じます。
その部下本人からは「自分に当たったかもしれないのに…」と不満を言われるという理不尽さにも、「俺は(犯人と)交渉はしない」と言うだけ。
その射殺の件を問題にされても「奴は部下を殺しかけたんだ 文句なら撃った私に言え」と電話を叩き切る。グダグダと言い訳しない。
有能な上、妥協を許さないジェラードのような上司の下で働くのは大変だろうと思う。でも、こういう男の人に「かなわないな」と思わせられるのって、悪くない。
組織で仕事してると、女より肝(キモ)が小っちぇー!って呆れるような男性上司も珍しくないんですから。ホントに。
恵まれ教訓: この人にはかなわん!と思える人が 身近にいるのは、 悔しいけど幸せなこと
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