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「恋妻家宮本」~妻が隠した離婚届を見つけたその時、夫は。

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中学校教師・宮本陽平が見つけてしまった、妻が署名済の離婚届。人生のパートナーについて、自分の選択は正しかったのか。二人の出した答えは。
(2016年) おすすめ度★★★

あらすじ

 

子供が独り立ちした中学教師の宮本陽平(阿部寛)と妻・美代子(天海祐希)は、25年ぶりに訪れた夫婦二人きりの生活に困惑してしまう。ある夜、妻側の記入欄がきっちり記載された離婚届を見つけた陽平は激しく動揺するが、美代子に意図を聞き出すこともできず悶々とした日々を過ごす。混乱しながらも陽平は、料理教室の仲間や教え子と関わる中で家族の在り方を見つめ直し……。

シネマトゥデイより

「惜しいなー」というのが、一番の感想。

最初、演出もテンポもすごく良くて、思わず笑ってしまうようなシーンが続きます。コメディにすっかりマッチするようになった阿部寛がうまくハマってて、これはかなりいい出来かもしれないと、期待がふくらむオープニングです。(優柔不断さにイラつくかどうかは別としてですが)

宮本陽平(阿部寛)は、夫としてだけでなく、中学校教師としてもパッとしない男。

あんなカッコいい阿部ちゃんがそんな設定でいけるのか?と思いましたが、イケメンオーラを消し、髪もペタッとしてかっこ悪くカーディガン姿もダサいし、大丈夫(?)でした。それどころか時折、アンガールズ田中に見える時すらあり、違う意味で大丈夫なのかと心配になってしまったほど。

本にはさんであった離婚届をたまたま見つけてしまう陽平。それには妻(天海祐希)が署名済み。動揺するものの問いただす勇気もなく、元に戻してしまいます。

ファミレスがキーとなり、過去と現在、ファミレスで決断や人生の選択をしたシーンが出てきます。ファミレスにいる昔の自分、現在の自分。

この陽平はとにかく優柔不断で、ファミレスの多様なメニューを見るとオーダーを決められなくなってしまうほどなのです。学校では鋭い女子生徒から、そのフラつきや、問題のある生徒への対応のまずさをズバズバ指摘されてうろたえる陽平。

対照的にテキパキしている妻・美代子(天海祐希)。

天海祐希は個人的に好きですしコメディにも向いている女優さんだと思いますが、美代子の役にはどうなんだろう・・・と思ってしまいました。

天海祐希は綺麗な上、とても若く見えます。実生活が独身と知られているだけでなく、作品中でもやはり所帯じみた雰囲気がありません。結婚した息子が家を出て、夫婦二人になってしまったというシチュエーションの妻には見えない。

この妻との関係のほか、しっかり者でシビアな女子生徒、家庭に問題を抱える男子生徒、その男子生徒の母と姑、宮本が通う料理教室の生徒仲間の女性などが出てきて、それぞれのエピソードを盛り込んでいます。

しかし、どれもが薄いというか、上っ面な感じがいなめないんです。

それぞれのエピソードは、もっとていねいに掘り下げていけば厚みが出るものになったはず。でもそれは映画では難しく、この作品は、コメディの味付けにしろ演出にしろ、むしろ1クールの連続ドラマ向きなのだと思います。

出だしのテンポのよいコメディぶりに対し、盛り込んだエピソードの「いい話」としてのまとめ方がお約束レベルに成り下がってしまって、非常にもったいない。

美代子が離婚届を持っていた理由も、本来は話のキモのはずですが、「え?そんなもん!?」て思うくらい弱い。

他にツッコミどころといえば、やはり優柔不断な陽平が子供の名前を決められずに悩むシーン。

陽平と美代子、そして生まれた赤ちゃんとファミレスにいて名前を選ぶのですが、ウダウダと決められない陽平に対し美代子が、この子に決めさせようと言い出します。

名前を書いた紙を見せ、笑った方にすると。

イヤイヤ、出生届って生まれて14日以内に出すもんですが。首も座って縦抱っこ、笑うようになってる赤ちゃんて、もう5~6ヶ月経ってるよ。

終盤では、線路越しに、向かいのホームにいる陽平に向かって自分の気持ちを話す美代子。

そのシーンでの話し方と手ぶりが、完全に舞台上のセリフまわしです。いいシーンのはずが、宝塚の舞台に戻ったような錯覚に陥ってしまいます。

結局、「大団円」に持っていくために全体が薄いんです。思わず笑ってしまったり、ホロっと泣けるようなシーンもあるだけに、うーん、もったいない。ちゃんと作り込んだ連ドラで観てみたかったなあ。残念。

結婚に関して言えば、他の誰かと結婚していたらどうだったのか、というタラレバを想像してみても意味はないのだと思う。そんなことは神様だってわからない。ブルゾンちえみじゃないけど、異性は35億人もいるんだから。

「自分にとってベストな相手」なんて、正解は誰も示しようがない。

だから、後悔しない方法は2つしかないんじゃないかな。

「この人以外は考えられない」と思い込める相手を選ぶか、または、将来「間違いじゃなかった」と思えるように、相手との関係を大事に育てていくか。

陽平と美代子はどちらかというと後者の答えにたどり着いたんですね。

結婚の教訓:
 運命と思った相手じゃなくても
 結果的にそう思えるかは自分次第

 

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