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「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」~結局奴隷美化してどうすんの

ブラック企業問題に斬り込むのかと思いきや、「頑張る人って、応援したくなるよね!!」的展開に困惑する作品。(2009年)
おすすめ度

 

あらすじ


ニート生活を送ってきた26歳のマ男(小池徹平)は母親を亡くし、一念発起して情報処理の資格を取得する。不況のご時世の中、必死で就職活動をするものの試験に落ち続け、最終的にパスしたのはとんでもない問題企業だった。彼は初出社当日から当然のようにサービス残業をさせられ、その状態が毎日続いていく。

シネマトゥデイより

ニート生活を抜け出し、やっと雇ってもらった零細企業のプログラマとして働き始める主人公(小池徹平)。

この会社が、まー絵に描いたようなブラックで。

会話がすべて罵倒の上、最後に必ず「バーーーカ!!!」と怒鳴り散らすリーダー。

このリーダー品川祐がおしゃべり・・・じゃなかった、罵倒クソ野郎なんですよ。

こんな罵声を一日何十回も聞かされたら、たとえ自分に向けられた言葉でなくてもメンタルやられます。

無茶な納期の受注を引き受け、その無理をすべて新入社員(小池徹平)に押し付けるパターンを繰り返し、主人公が追い詰められてゆきます。

でも中卒で8年ニートだった自分にはあとが無いからと、無理を重ねてしまう。 

それが、なぜか昔のスポ根ものみたいに「ブラックでも超頑張る人って何かを得るよね、成長するよね、応援したくなるよね!!」というニュアンスの展開になってしまう異常さ。

イヤイヤイヤそうじゃなくって。

劣悪で異常な環境においての頑張りは、命にかかわるんです。過労による自殺のニュースがあとを絶たないのを見ても明らかです。

違法に搾取されてるだけなのに、なんで忍耐力でそれを乗り越えようとするのか。

そしてなぜ、そんな状況でも仕事として貫徹することが素晴らしいかのような描写にしてしまったのか。ブラック企業をテーマにした作品なら、そこを間違っちゃダメでしょう。

大体、「サービス残業」っておかしいです。労働力とか時間拘束って、形を変えた賃金ですよ?

つまり労働力・時間拘束という名のお金を、労働者から盗んでいるのと同じなんです。た

とえ100円の商品でも、お店で盗めば窃盗という犯罪になるのに、労働力は何で平気で盗むことがまかり通ってるんでしょうか。

それに日本人は時間に正確だとよく言われるけど、ウソです。それは始業時間のことだけで、終わりの時間はルーズ極まりないんですから。

これを観た人で、「うちもひどいけど、みんなこんな中で頑張ってるんだよな、よし、自分も明日からもっと頑張らなくちゃ」とか、間違った方向のやる気を持つ人が現れないか心配です。

というわけで、「おすすめ度」としては★1なんですが、エンタメとして観るだけならなかなか面白いです。

心境によって、戦場の兵士とか三国志とかの人物に変身する描写を挟むのもアクセントになってるし、自問するときに現れるミニサイズのペラペラの自分自身がまとわりつく様子とかもわかりやすい。小池徹平の演技も上手いです。

なので、観る時は軽いエンタメとしての鑑賞をおすすめします。

就労教訓:
 ブラックな職場で頑張るな
 あなたが削った命で
 経営者が潤うだけだから

 

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