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「日本で一番悪い奴ら」~どんな世界にも闇があるという暗澹(あんたん)たる現実

柔道しか取りえがなかったが、その柔道の腕を見込まれて警官となった青年。純朴だった彼が、先輩の教えによって裏社会のスパイを見つける。やがて、闇社会との取引によって検挙成績を爆発的に上げてゆくが・・・。
北海道警察での実話をベースとしたバイオレンス作品。(2016年)
おすすめ度★★★

あらすじ

柔道で鍛えた力を買われて、北海道警察の刑事になった諸星要一(綾野剛)。裏社会に入り込んでS(スパイ)をつくれという、敏腕刑事・村井の助言に従い、Sを率いて「正義の味方、悪を絶つ」の信念のもと規格外の捜査に乗り出す。こうして危険な捜査を続けていった諸星だったが……。

シネマトゥディより

綾野剛の演技が光ってますが、これが実話ベースって・・・日本の警察の暗部を見るようで、気が重くなる作品。

当初、純粋な思いを持って北海道警察の警官となった青年・諸星要一(綾野剛)。

押しが弱く純朴な彼だったが、先輩刑事・村井(ピエール瀧)の教えによって、S(エス=裏社会のスパイ)とつるみ、違法検挙に染まっていく。

元々は正義感に満ちていた警官であった諸星が、次第に暴力団幹部と同化していく様子がヒドイんですが、綾野剛のやさぐれ感が本当に上手いです。

拳銃の検挙数を上げるためにロシアから拳銃購入したり、ヤクザの抗争の鉄砲玉役を、組と打ち合わせの上でやらせ逮捕して済ませたり、おとり捜査のため覚せい剤密輸を見逃したり。

恫喝(どうかつ)と暴力。

背中一面に彫り物があるホステスや同僚婦警、風俗嬢とのベッドシーン。

刃物に拳銃、覚せい剤と、なかなかにエグいものが飛び交う展開のため、R15ですのでご注意ください。

そうでなくても、誰かと一緒に観るとやや気まずいシーンがありますので、観るなら一人鑑賞がおすすめ。

色合いとしては刑事物でなく、ほとんどヤクザ映画に近いので、バイオレンス系の描写が苦手な方は厳しいかもしれません。

飛ぶ鳥落とす勢いでのし上がっていった諸星が、兄弟分だったスパイ(中村獅童)の裏切りによって、築いた地位や裏社会でのパワー網がガラガラと崩れていく。

しかも「覚醒剤やったら人間が終わるんだぞ!」と、愛人ホステスに激怒していたはずが、自身が覚せい剤に溺れてゆく転落ぶりが痛々しい。

そして、無謀なやり方で検挙数を上げてきた諸星の功績で道警のメンツを保ってきたくせに、トップは組織ぐるみの違法捜査を隠蔽し、諸星一人が罪をかぶる悲惨さ。

こういう「組織を守るため誰かを犠牲にする」という構造は、会社などでよく見られる傾向ですが、こと警察となると始末が悪い。

この巨大権力に太刀打ちなんてできるわけがない。

警官だろうと会社員だろうと、雇われの身で組織へ尽くしたって、上層部にすればしょせんトカゲの尻尾です。

日本は子供の頃から「組織に忠誠を尽くす従順なサラリーマン」となるような教育(洗脳)をされてるとも言えるので、過酷な環境で自滅しないよう要注意ですよ。

我が振り教訓:
 仕事が大変で充実してるって?
 ソレ、実は「やりがい搾取」じゃね?

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