スポンサーリンク

「シュリ」~北朝鮮女工作員の悲哀(ネタバレあり)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【中古】シュリ/ハン・ソッキュDVD/韓流・華流
価格:842円(税込、送料別) (2017/2/17時点)

 

北朝鮮の特殊部隊工作員の女スナイパー、イ・バンヒ。韓国の要人暗殺に関わっていると思われる彼女の行方を追う、韓国情報部員ジュンウォンが追い詰めた彼女の正体とは。(1999年)
おすすめ度★★★

解説

 本国で「タイタニック」の動員記録を塗り替え、日本でも韓国映画としては異例の大ヒットとなったラブ・サスペンス。韓国の情報部員ジュンウォンは最近多発する暗殺事件の裏に、以前から追っている謎の女スナイパーの影を感じていた。そして遂に自分の命が狙われ、恋人の身を案じた彼は、彼女をホテルにかくまう。いつもと様子が違う恋人に、何が彼女を苦しめているのか分からず戸惑うジュンウォン。そんな中、驚異的な破壊力を誇る液体爆弾CTXが強奪される。同じ頃ソウルでは、韓国と北朝鮮両首脳が列席するサッカー南北交流試合の華やかな舞台の準備が進んでいた……。

allcinema ONLINEより

北朝鮮の金正日元総書記の長男・金正男(キム・ジョンナム)氏が、去る2月13日にマレーシアの空港で暗殺された事件は衝撃的でした。彼は広く世界を歩きまわり、閉鎖的な北朝鮮の体制とは逆の生き方をしていた人物と言えます。もちろん、後継者からはずれたことで権力がなく、身の安全のため国を離れていた背景もあるでしょう。

直接の犯行は女性2人によって、わずか5秒で行われたと報じられています。詳しいことはまだ明らかになっていませんが、大韓航空機爆破テロ実行犯の金賢姫(キム・ヒョンヒ)で広く知られたように、北朝鮮は女性を含む工作員による暗殺や諜報活動を行っていることは間違いありません。このたびの事件は犯行後の行動がずさんであることから、実行犯の女性は工作員ではない可能性もありますが。

この「シュリ」の冒頭では、北朝鮮で工作員となるための壮絶な訓練の様子が描かれます。ドキュメンタリーではないので、どこまで現実に近いのかはわかりません。しかし独裁体制において親族すら粛清の対象とするような非道さを見ると、工作員養成の選抜時には個々の命まで消耗品レベルでふるいにかける様子も、あながちオーバーな描写ではない気がします。

作品としていろいろと粗いところも目につきますが、全体的には面白かったです。銃撃戦も、アジア映画の中ではかなり迫力があります。ですが、逆に「いや、こんな雨あられの銃弾の中から逃げられるってありなの?」って思ってしまうシーンも。

この先はネタバレを含みます。未見の方はご注意ください。




韓国の情報部員ジュンウォン。交際して1年になる恋人のミョンヒョンには、自分が情報部員であることを隠しつつ、結婚を考えている。ジュンウォンは相棒のジャンギルとともに、凄腕の女スナイパー、イ・バンヒを追っているが、なかなか足取りがつかめない。

見ていれば途中で大体わかってしまうと思うのですが、この恋人ミョンヒョンが実は北朝鮮特殊部隊工作員イ・バンヒなのです。つまり任務のためジュンウォンに近づき、恋人となって様々な情報を得ていたというわけ。長期計画ハニトラですね。

名前を乗っ取った人物に似せて顔を整形し、手配写真とは姿が違っているので、ジュンウォンはまさか自分の恋人が工作員イ・バンヒだとは夢にも思っていません。ミョンヒョン(イ・バンヒ)は箸使いが下手なのですが、北ではまともに箸で食事ができる環境になかったことの伏線なのです。でも、箸もまともに使えない不器用な人が精鋭工作員ってのも無理があるのですが。そんなに不器用なはずが、さらに着てはもらえぬセーター編んじゃったりと、ほとんど「北の宿から」です。(偶然だけど「北」かぶり)

そして韓国で身分を偽って諜報活動するなか、文化的な生活とか女性として幸せな時間を過ごすうちに人間らしい感情に目覚め、本当にジュンウォンを愛してしまいます。

工作員としての絶対的な任務と、愛する感情の間で苦しむミョンヒョン。でも、その苦悩から酒に溺れてアル中気味になってるんですけど、任務に影響しないの?酔いが残っててターゲットを撃ち損じたりしたら、工作員としては許されない気が。

でも、この非情な任務と愛の間で揺れ動く女心、のパターンが好きな私は、こういう展開は好みです。(ニキータとかもね)

しかしジュンウォンはどうなんでしょう?こういう任務についていればハニトラの危険性は熟知しているはずなのに素性も調べず、まったく疑わずに付き合い出すってどうなのよ?それにミョンヒョンは目的があってジュンウォンに近づいたはずが本当に愛してしまったという設定ですが、美人のミョンヒョンに対しジュンウォンが不細工すぎ。いまいち絵ヅラ的に感情が入り込めないんです。情報部員という無骨な仕事であるため、いわゆるイケメンじゃなくていいのですが、まさかの島田紳助にくりそつ。そのうち「素敵やん」とか言い出すんじゃないかと、つい雑念がちらついて集中力を邪魔します。

終盤、二人が銃を向け合って対峙するシーンがクライマックスですが、やはり、ジュンウォンを撃てない彼女。そりゃ、生まれて初めて惚れて、人生唯一の幸せな時間を過ごした相手は殺せないよね。向けていた銃を一転、車中の要人に向けた瞬間、ジュンウォンに撃たれます。これは、撃たれようとして取った行動に思えました。

ミョンヒョン(イ・バンヒ)は検死で、妊娠していたことがわかります。そのことをジュンウォンに告げなかったミョンヒョン.。

朝鮮半島の南北分断は事実として知っていても、南北が互いに相手国に持っている民族感情というのは体感としての理解はできません。ですが派手めの銃撃アクション、爆破液体強奪からテロへと進む緊迫感と悲劇的な二人のラブストーリーが相まって、テンポよく楽しめる作品です。

映画・ドラマ・アニメ・バラエティ
定額見放題「Hulu」
 
2週間無料トライアル
         
↓↓↓↓↓

 

Pocket

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする