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「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」~ジョジョ好き女の感想は。

 

人気長編漫画の実写化映画。あの独特の「ジョジョワールド」は再現できているのか!?不安要素を抱えて劇場へ。果たして結果は・・・(2017年)
おすすめ度★★★

あらすじ

美しい海に臨む杜王町で暮らす東方仗助(山崎賢人)は、心優しい高校生だった。彼はスタンドという特殊能力の保持者で、触れただけで壊れたものを修復し、他人のけがを治すことができた。杜王町では変死事件をはじめとする奇怪な出来事が続発するようになる。やがてそれらが連続殺人犯アンジェロこと片桐安十郎(山田孝之)ら、ほかのスタンド保持者による犯行だと判明。町を守るため、スタンドを駆使して彼らとの戦いに挑む仗助だが……。

シネマトゥデイより

ジョジョファンは観に行くのか

ジョジョ好きなら絶対気になるこの作品。

こういった人気漫画の実写化の場合、恋愛モノだったり青春モノだったりといったテーマならば原作を知らない人でもとっつきやすいですが、「ジョジョ」のようにかなりクセのある世界観の漫画だと、未読の人は普通、映画までは手が伸びない。

んじゃ原作ファンならこぞって観に行くかというと、これまた難しい。原作愛が強いコアなファンほど拒絶反応を起こしたりする場合があるので、

実写化映画を観に行く人=原作既読者のうち拒絶系ファンを除いた人

となり、ターゲットがかなり絞られます。そのため、興行的にはけっこう厳しいのでは。第二章以降の制作費は調達できるのか、ちょっと心配になってしまいます。

ちなみに私の場合、家族を含めみんなジョジョ好き。
漫画はもちろん所有。
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& フィギュアもいろいろと。
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という感じのレベルのファンなわけですが、その上での私の感想としては

「実写化、アリ」

でした。

評価の前提

ただし、この評価には前提があります。それは

「原作をすでに読んでいて、ジョジョの世界観を理解している」ということ。

つまり、初見の方にはおすすめ度のゼロに近いということです。いちげんさんに優しい作りではない。(でもこれは仕方ない)

特に、自分がジョジョ好きだからといって、ジョジョを知らない彼女を連れて観に行ったりするのは絶対やめましょう。

しょこたんみたいなジョジョラーもまれにはいますが、女性でジョジョ好きは少ないし、たとえ読んでみてもあの世界観を好きになるかどうかは微妙なところ。(私の友人でジョジョ読んでる女性は一人もいない)

荒木ワールドは独特です。いきなり観た人にとっては、「変身した分身が、コスプレしてるみたいなキャラの身体から湧き出てバトル? なにソレ幽体離脱?」てなります。

承太郎の髪が後頭部で帽子と一体化してるとか、謎の長ランみたいなファッションとか、仗助のハンバーグみたいな頭とか、原作を知らないと「ナニそれウケる~」レベルの珍妙さに映る可能性大。

これ、制作上難しいのは良くわかるんですよ。原作に忠実すぎると実写において現実離れしすぎるし、かといって実写で違和感ないレベルにしてしまうと原作のイメージから遠ざかるし。どっちに寄り過ぎてもファンからのバッシングは避けられない。その意味では、ギリギリのラインを攻めた苦労がしのばれます。

登場人物(キャスト)について

まずは東方仗助(山崎賢人)。

正直、山崎賢人が仗助?と最初聞いたときは思いました。キャラ的に薄すぎるやろ~と。

でも、体型のいかつさはやはり足りないものの、唇のぽってり感とか、荒木ワールドのキャラとして意外に悪くなかったです。似てる具合より、若手俳優の旬度でキャスティングされた感はいなめませんが、それでも「アリ」だと思いました。

広瀬康一(神木隆之介)

まさか広瀬康一に神木くんをもってくるとは!!
もしキャスティング選びを任されたとしても、彼のことは浮かばなかったろうな。

でも、見たら「アレ!? めっちゃ似てるかも!?」となってちょっとびっくり。さすがに原作みたいな低身長4等身、て訳にはいかないけど(てか、そんな人いない)、十分似ててなじんでます。

山岸由花子(小松菜奈)

広瀬康一の世話係とかいう妙な改変設定になってましたが、小松菜奈のクセのある顔立ちは荒木ワールドの女性キャラにぴったり。キャスティングとしてジャストだな~と感心。

ただ、原作の山岸由花子の強烈さが無かったのが残念。第一章では尺的にも盛り込む余地が無かったですが、第二章以降で康一くんに対する愛の狂気っぷりをぜひ見たい!!
 

虹村形兆(岡田将生)

髪型等、作り込んでありましたが、原作の虹村形兆に対して岡田くんは線が細いし美しすぎ。原作形兆のギラついた感じはありません。死んじゃったので次作出演は無いかと。
 

虹村億泰(新田真剣佑)

今作キャラで一番のお気に入り。ちょっと頭が弱くて兄想いの億泰に、爽やかイケメンまっけんゆうクンがまさかこんなにフィットするとは!!もはやまっけんゆうクン以外の億泰はイメージできません。しかもあの髪型、なんと自毛だとか!!

深く剃り込みを入れて、短くしたサイドをブリーチで脱色、トップは仗助のハンバーグ頭のミニ版みたい。アイロンコテとかでギッチギチにセットしたんだろうけど、すごい完成度。(頭皮大丈夫だったかしら?)

 片桐安十郎(山田孝之)

山田孝之はアンジェロ(通称)とはまったく似てません(まあ似てる人いるのかって言われると難しいけど)。山田孝之は濃いキャラが得意なので、不気味さでは当然合格点ですが。原作どおり最後は岩にされちゃってます。

空条承太郎(伊勢谷友介)

顔のクドさはぴったり。でもやはり体型が・・・。

原作ほどのマッチョ逆三角体型は無理でも、特殊メイクでいいから体型を作り込んでほしかった。肩の張りとか胸板とか、もうチョイ盛れる余地があったはず。惜しい!

東方朋子(観月ありさ)

観月ありさが、仗助ママに意外とぴったり。アリです。

CGのクオリティ

CGは資金力がすべてなので、ハリウッドにはかないません。でも、スタンドのCGは予想していたより全体的に良かったです。アクア・ネックレスの水の躍動感も良かったし、億泰のザ・ハンドが手のひらを前に向けて登場した時の「キターーーーーー!!」感も気分が上がった。

ただ、クレイジー・ダイヤモンドとスター・プラチナ、ザ・ハンドが半透明で「スタンド使いだけが見える超能力体」の感じが出ていただけに、バッドカンパニーのミニサイズ軍隊のスタンドだけはハッキリくっきり実物ぽかったのがやや違和感あり。でも、狙ってのことなのかどうかはわかりません。

スペインのロケーション

原作の杜王町は仙台市をモデルにしているのですが、今作のロケ地はスペインのシッチェス。これは賛否あると思いますが、私は賛成派です。

杜王町は美しく平和な町といいながら、アンジェロをはじめスタンド使いによる猟奇殺人が頻発するような不穏な空気に包まれているわけです。

日常どころか、邪悪なスタンド使いがうごめく、非日常そのものみたいな町。やや現実離れしているルックスや衣装のキャラが身を置く背景としては、ありがちな日本の街並みじゃないほうがむしろしっくり来る。

これは単なる話題作りではなく、三池監督の明確な意図があってのロケ地設定だと思うのです。

第二章の期待度

形兆を倒したのが、レッチリではなくシアーハートアタックに改変されていたことから、レッチリのエピソードはバッサリカットされてるんだろうなあ。

異常な山岸由花子の康一監禁とかトラサルディーの料理スタンドとかも、尺的に難しそう。

でも第一章のオープニングで、康一の部屋に「ピンクダークの少年」の漫画があったのは、岸辺露伴の前振りでしょう。

そして、何と言ってもエンディングの「手」。

シアーハートアタックのスタンドといい、殺した女性の「手」を持ち歩く「吉良吉影」で間違いないですね。彼は、猟奇殺人鬼でありながら静かに暮らしたいという、矛盾した願望を持つスタンド使い。

この強烈に濃いキャラが登場する第二章に、期待できないはずがない。もっと言えば、第一章より確実にパワーアップしている予感がするし、大化けしてほしいと思う。

そんなこんなで、コスプレに見えてしまう部分や全体のクオリティやらを総合すると、おすすめ度は3つ。でも、次作への伸びしろを感じるので第二章が楽しみです。

期待してます!!

さっくり教訓:
 人のこだわりを笑うな

 

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