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「プラダを着た悪魔 」~ファッション業界の過酷な裏側

期せずして、ファッション誌のカリスマ編集長の元で働くことになった女性の成長物語。モード界の雰囲気が興味深いです。(2006年)
おすすめ度★★★★★

あらすじ

アンディ(アン・ハサウェイ)はジャーナリストを志しNYにやって来る。オシャレに関心のない彼女は、無謀にも一流ファッション誌ランウェイの面接を受ける。編集長ミランダ(メリル・ストリープ)のジュニア・アシスタントの仕事を手に入れるのだが、翌朝から24時間公私の区別なく携帯が鳴り続ける悪夢の日々が始まった。

シネマトゥデイより

ファッション業界に君臨するカリスマ編集長をメリル・ストリープ、その鬼編集長の元で奮闘するアシスタントをアン・ハサウェイが演じています。

まず「Suddenly I See」‬‏ の曲に乗せて、NYの女性たちが出勤の身支度をするシーンのオープニング。

もうね、「Suddenly I See」のイントロだけでワクワクしてきます。この女性たちの身支度と通勤シーンがカッコよくて。とは言え、やたらファッショナブルな上にタクシー通勤なんて、普通のOLじゃないと思いますが。

それにしても、みんな服を着るところからじゃなくて下着を履くことから始まるんですねぇ。主人公のアンディ(アン・ハサウェイ)はモーニングシャワー後って感じだったのでまあわかるんですけど。

アンディはジャーナリスト志望。でも出版社から連絡が来たことから、ファッション誌「ランウェイ」の編集長アシスタント職の面接を受けることになります。

カリスマ編集長ミランダ(メリル・ストリープ)の面接でダメ出しされるも、奇跡的に第2アシスタントとして採用され、「何百万人の憧れの仕事」に就くことに。しかしこれが超ハード。

ミランダからは前任者の名前で呼ばれる始末。認められるまでは名前すらまともに呼んでもらえないというわけです。

時間を問わず鳴る電話に、容赦ない矢継ぎ早の指令。機嫌を損ねるようなミスをしたら、ミランダの子供のために「発刊前のハリーポッターの新作を手に入れろ」という無理難題。いやー私なら1週間もたないかも。

第1アシスタントのエミリーは、ダサいアンディをバカにしまくり。おしゃれに興味のないアンディは、スタッフたちのファッションに関するこだわりや、ミランダに対する絶対的尊敬も理解できず、ミランダの横暴な人使いにストレスをつのらせていきます。

でも以前と同じ格好を続けていたアンディが、ある仕事のミスをきっかけに大変身。モードファッションに身を包み、どんどん洗練されていきます。そのファッションの数々も見どころです。

最初、スタッフやミランダへの文句ばかり言っていたアンディですが、彼らが仕事としての厳しさに耐えながらファッションに対して真摯に取り組んでいることを知るうち、考えが変わってきます。

それと同時に仕事のスキルも上がり、さらに忙しくなったことで、同棲中の恋人ネイトや友人たちとの間に溝が生まれることに。

モード系ファッションを身に付け、ボスの要求にはプライベートな時間も削るようになったアンディに対し、恋人も友人も、華やかな世界に取り込まれて人が変わったと彼女を責め、アンディは苦悩します。

でも、この非難って理解なさすぎ。服に関しても、アンディは別にハイブランド好きになった訳じゃない。彼女は自分のポジションに求められることをやっと理解して、居場所にふさわしい装いをするようになっただけ。

業界をリードする一流ファッション誌の編集長のアシスタントがファッションに無関心な格好をしていたら、信用を失う行為に等しいですから。

プライベートな時間が減ってしまうことも、「ボスが必要とすることをタイムリーにこなす」のがミランダのアシスタントの仕事のすべてである以上、仕方のないことでしょう。

確かに激務ですが、1年という期間限定で、昇進前提の一過程とわかってのことなので、単に安い賃金で使い倒すだけのブラックとは一緒にできないでしょうし。

しかし、アンディの恋人のネイトですが、どこがいいのかよくわからないです。すぐ「8ドルもしたチーズだ、食わないなら俺にくれ」とか「高級デリで(アンディのために買った)イチゴが5ドルもした」とか。数百円単位の買い物でいちいち恩着せがましいわ!

それに、アンディのファションの変化や多忙ぶりは、スタッフへのリスペクトや仕事への心構えの変化によるものなのに、「ミランダを崇拝する編集員と同じになった」と責めて、ふてくされる。アンディに言い寄る色男の作家もどうかと思うけど、ネイトもどうなんでしょうか。

アンディがたとえアシスタントをやめたからといって、多忙になれば同じ不満をぶつけてきそうなので、ネイトと本当に上手くいくのか疑問です。

それにしても、採用時にアンディが「太ってる」と言われるのが衝撃。全然太って見えないんですけど・・・。

やはりファッション業界はモデル基準のため、「普通」とされる体型がすごく細いんですね。

社内レストランでアンディがコーンチャウダーを取っていたら、「興味深い選択だ。それはももを太くさせるんだよ」と言われるわ、第1アシスタントのエミリーはパリ行きのためほぼ絶食してるわ、とにかく痩せてないとダメっていうのが大変です。

編集員でもそうなんだから、モデルともなればこんなもんじゃないんでしょうけど。ファッション業界の体型維持って大変。

ところで、聡明なアンディをミランダが高く評価するようになったのはわかりますが、最後あんな形で仕事放棄して辞めたのに、次の仕事探しに便宜を図ってくれるものかなあ。それがちょっと疑問でした。

全編を彩るファションの華やかさと、アン・ハサウェィの好演。アンディを導いてくれるナイジェルの優しさと、第1アシスタントのエミリーのストレートなキャラも憎めなくていい。

そして何と言っても、メリル・ストリープは貫禄ある強烈な嫌味が本当に上手いです。

ファッションに興味がない男性には、この作品の面白さがいまいちわからないかも。男女で評価が分かれる映画かもしれませんね。

TPO教訓:
 職業上求められる身なりを
 整えるのが第一歩

 

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