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「バーレスク」~大人のためのゴージャスなショータイム

 

夜な夜な繰り広げられる、セクシーでゴージャスなバーレスク・クラブのショー。歌手志望でアイオワの田舎から出てきたアリ(クリスティーナ・アギレラ)はショーに魅せられ、クラブでウエイトレスとして働き始める。(2010年)
おすすめ度★★★★

あらすじ

歌手になる夢を追い掛けているアリ(クリスティーナ・アギレラ)は、セクシーなダンサーたちが毎夜ゴージャスなショーを繰り広げているロサンゼルスのバーレスク・クラブで働くことに。オーナーのテス(シェール)のもと、たぐいまれな歌唱力と傑出したダンスの才能を花開かせていくアリは人気者となり、クラブは盛況を極める。

シネマトゥデイより

貫禄のシェールと、キュートなクリスティーナ・アギレラ。この二人の魅力を楽しむ作品です。サクセスストーリー部分もラブストーリー部分もベタな展開で、はっきり言って大したことはありません。というか、その部分には力を入れてないといったほうが近いです。

アイオワの田舎町。横暴なオーナーのレストランで働くアリ(クリスティーナ・アギレラ)は、賃金をまともに払ってくれないオーナーにさじを投げ、レジから給料分のお金をとって町を出ることにします。

自分にとって最後の閉店作業後の店内で、小さなステージで一人歌うアリの歌声のパワフルさに、一気に惹き込まれます。

歌手になりたくてロスへやってきてエージェントを片っ端から当たるも相手にされないアリ。たまたま通りがかりに見つけたバーレスク・ラウンジに引き寄せられるように入ったアリの目に映ったのは、ゴージャスでセクシーなダンスステージでした。

ステージに魅せられ、ここで働きたいと、歌手であり店のオーナーであるテス(シェール)に懇願するアリ。でも、「そのうちオーディションするから連絡する」と追い払われます。

でもアリは強引にバーレスクのウェイトレスとして無給で働き始めます。そしてカクテルを運びながら、ステージの振り付けを覚えてしまうのでした。

そして呼ばれていないオーディションで強引にステージに上がり、テスにステージナンバーのダンスを披露します。さらには、ダメ出しをするにテスに、「チャンスをちょうだい」「失望させない」「お願いステージに立たせて!」と訴え、合格を勝ち取ります。

思うに、人を動かすのは「熱意」なのです。アリは、テスに最初に追い払われた時に引き下がるのではなく、ウェイトレスとなってステージを見て振り付けを覚えた。そしてオーディションでも必死に訴えて合格を勝ち取った。しつこいくらいに自分の熱意を伝えたことで道が開けたんですね。

そして、いつも酒がまわった状態のためステージを降ろされたニッキは、自分の代役に抜擢されたアリへの腹いせに、ステージ途中で音楽を止めてしまいます。万事休すと思いきや、BGMなしで歌い出すアリ。その圧倒的な歌声にみんな呆然としながらステージを続行するのでした。嫌がらせのはずが、逆にアリの才能が脚光を浴びるチャンスを与えてしまったニッキ。

熱意を伝え続け、そしてチャンスがきた時にそれをつかみ取るための準備をし続ける。どんな分野でも、それが成功の道なのです。

特に芸能などエンタメの世界では、巡ってきたわずかなチャンスをつかまなければ、芽が出ないままで終わる世界。追い払われても強引にウェイトレスになったことも、オーディションに飛び入りしたことも、ある意味非常識で強引な手段です。でも、特に芸能などライバルだらけの世界では、お行儀よくしてるだけでは抜きん出ることはできないのでしょう。

以前、ある若い女優さんがテレビのトーク番組で下積み時代の話をしていました。演技の勉強のためにも、たくさん舞台を観たい。でも、貧乏劇団員である自分は舞台を見に行くお金がない。(舞台のチケットって高いもんね)で、彼女はどうしたのか。

舞台というのは、上演開始日の前日などに通しのリハーサルをするのだそう。つまり、衣装も演出もセリフも本番と同じ舞台を、通しで演じるわけです。それを観るため、通しのリハーサルの日を調べ、大道具さんの道具袋(ガチ袋)を腰に下げ、スタッフのふりをして会場に入り、舞台を観ていたんだとか。

関係者のふりをして会場にもぐりこんで正式上演前の舞台を観るとか、私には思いつきません。その話を聞いた時、特にエンタメの世界では、時に非常識であろうと強引な手段も辞さない覚悟がある人が勝つんだな、と思ったのを覚えています。彼女はもう50代になっていますが、女優として現役で活躍しています。

ゴージャスで官能的な舞台が展開されるこの作品。ぜひ本物のバーレスクでカクテルを飲みながら大人の舞台を観てみたいものです。ですがなかなかそんな機会はありませんので、この作品で疑似体験を楽しむ庶民の私なのでした。

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