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「漫才ギャング」~芸人と役者の境界線はあるか

アンチが大量発生する品川ヒロシの脚本・監督作品。(2010)
おすすめ度★★★★

あらすじ

コンビ結成10年目を迎える売れない漫才コンビでボケとネタ作りを担当する飛夫(佐藤隆太)は、相方から解散を告げられる。ヤケ酒を飲みトラブルに巻き込まれ留置場に入った彼は、そこで不良の龍平(上地雄輔)に出会う。龍平と少しずつ会話する中で、彼のツッコミの才能に気付いた飛夫がコンビ結成を申し込むと、意外にも龍平は承諾する。

シネマトゥデイより

正直、観る前は「典型的B級邦画だろなー」と軽い気持ちで観始めました。でも、予想を超えて面白かったです。

佐藤隆太、上地雄輔の主演組が芸人でないため、他の出演者も役者をあててるんだろうと思ったら、脇を固める役の大半に芸人が投入されていてちょっとびっくり。

そんでみんな意外に演技が上手くて二度びっくり。芸人が集まるバラエティ番組で、たまに内輪臭が鼻についてウンザリするのがありますが、そういう感じがしないのも良かったです。

借金取り立て屋の宮川大輔のチンピラ感と、理不尽な無茶トークがハマり過ぎ。

この役、他に合う人が浮かばないわ。おしるこトークで相手の乗っかりを強要する勝手さとか、自分ウケして笑いが止まらないウザさとか、上手いわー。

ロバート秋山がコスプレオタクを演じてるんですが、豚の背脂なみにこってりしたキモチワルさ。

顔がぬらぬらテカってるわ理屈っぽいセリフを延々と喋るわ、「なりきり系」の自身の持ちネタの強みを活かした、メンドくさいキャラが立ってます。

漫才中だけじゃなく会話が全体的にボケツッコミのノリだったり、こっちがツッコミたくなるところが満載でおかしい。佐藤隆太と上地雄輔の漫才ネタは好みが分かれると思いますが、私は好きだったな。

それで、芸人の演技は上手かったんだけど、逆にいうと佐藤隆太と上地雄輔コンビの漫才もそんなに違和感なくて。失礼かもしれないけど、ネタさえあれば芸人じゃなくてもできるんじゃないのって感じちゃったんですよ。

これ脚本・監督が品川ヒロシで彼自身が芸人なので、「芸人じゃなくてもいいんじゃ?」と思われるのは心外なのか、俳優二人の漫才が成功してることが監督としては嬉しいのか、どっちなんでしょうね。

いずれにしても芸人の世界でいうと、面白いネタを自分で作れるかどうかが差別化を図れる唯一の要因になるんじゃないでしょうか。漫才作家や構成作家が作ったネタを演じるだけなら、芸人じゃなくてもできちゃうよ、ってことですから。

で、全般的にはテンポとノリ良く進んで面白いんですが、残念なのはワル集団のからみと仇討ち系のストーリーのチープさ。

不良中学生じゃあるまいし、街で会うたび殴り合いのケンカとか、無理があるでしょ。

新井浩文のワルグループも半グレほどの凶悪さはなくて、申し訳程度にナイフが登場するけど、ほとんどがただの殴り合いで何したいのか不明。

なんでそんなに上地雄輔に絡んでくるのかよくわからないです。単にケンカのアクションシーンを入れたいだけとしか思えません。

でも主人公二人だけでなく、それ以外の出演者の掛け合いのトークも面白いので、おすすめ4つで。

特に宮川大輔のキャラが光ってますので、難しいことを考えたくない時に、スナック菓子を食べるような感覚で楽しめる作品です。

普遍的教訓:
 面白い人になるのは無理でも
 生きることを面白がれる人に
 なりたい

 

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